行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

生まれて初めて、楽しいと思った

今月はついに月間200キロを突破したので、今日はゆっくり走ろうな、と家を出た。

頭ん中ではここのところ無限ループして、1日に何度口ずさむかしれないGLIM SPANKYの「大人になったら」が鳴っている。

初めて彼らを知ったのは去年の2月に放送された、NHKBSのThe Covers。かっちょええバンドだなぁ、とは思ったものの衝撃ではなかった。今では、鈍かったなぁおれは、と思う。

見逃していたThe Covers’ Fes.2017の再放送が年末にあったので、録画しておいた。クレージーケンバンド田島貴男などと共に出演していて、先週ぼんやり見ていたら、ああ、これはとんでもない曲だとようやく気づいた。

生きているうちにこの曲に出会えて良かったなぁ、などと思っていた。ところが、みうらじゅんが2年も前におんなじことを言っている。

GLIM SPANKY - 「大人になったら」 - YouTube

しかも、マラソンのBGMにはおよそなりそうにないこの曲が、驚いたことにおれが走るピッチに合うのだった。曲の頭からエンディングまで、何度も何度もループしながら走る。ピッチが合うだけじゃない。この歌に込められた力がおれを後押しする。この強さがあれば、隙があれば頭をもたげようとする、言い訳や諦めや捨て鉢な気持ちを遠くに押しやって、まだまだ行けるような気がしてくる。

ゆっくり行こうと思っていたのに、少しずつ体が軽くなってペースが上がってゆく。いつものコースを何周したのかよくわからなくなった。いい加減にもうそろそろ帰ろう、と周回路のゴール地点で復路に向かおうとしたとき、いや、こんなに気持ちいいならもう1周走ろうと思った。

苦しくなきゃ駄目なんだと思っていた。そのくらい追い込むことができてほんの少しずつ力がついてゆくのだと思っていた。

でも、違うんじゃないか。そうではないんじゃないか。おう、もう絶対そうに違いねぇや。だって今日はこんなに気持ちがいい。これでいいじゃないか。楽しもうじゃないか。