行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

練習日記190714

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試合で最も体力(スタミナ)を使わない(バッテリーを除く)球技は、野球である。にもかかわらず、練習は結構過酷だ。試合と練習の運動量がこれほど違うスポーツも珍しいんじゃなかろうか。

何しろ大方の選手は試合中動いていない時間が長い。攻撃中は、自分の打順までベンチで座っていられる。守備だって打球が来なきゃ、外野などずーっと休憩しているも同然だ(暴言)。その上出塁できなければ、1試合で消費するカロリーは、お年寄りのウォーキングと同じようなものだろう。何とまぁ不思議なスポーツもあったものだ。

しかもかつて練習には乱暴で不合理なメソッドが横行していた。グランドが使えない冬季の練習では必ずウサギ跳びをした。夏場は、肩が冷えるのがいけないと、水泳禁止の野球部もあったらしい。

まあ、日本人がメジャーリーグで通用するなどと、誰も夢にも思わなかった昭和の時代の話だ。

それでもここ20年くらいだろうか、野球の世界にも、必要な筋肉を効率よく鍛える科学的なトレーニングが取り入れられるようになってきた。とにかく走っとけ、というような理不尽が幅を利かせた時代が遠ざかってゆく。本当に良かったと思う。

しかしだ、この歳になるともちろん基礎体力が落ちてくる。心肺機能の低下はもちろん、全身のあらゆる筋肉が如実に衰えてくる。そうなってからなのではないか。まずは走ること、それが必要になるのは。

しかもマラソンの世界でさえ、ただ走るだけという練習はもうかなり前から過去のものだ。だから一流選手のみならず市民ランナーまで、よりいい走りを実現するために様々なトレーニングを取り入れている。そしてそれらのトレーニングで向上するのはもちろん走力だけではない。

去年撮ってもらった動画と比較すると、投球フォームは安定しコントロールの精度も球速も確実に上がっている。昨日ブログに書いた通りトーニングボールの効果は確かに絶大だ。ただしそれも走ることによって充実した下半身と体幹の支えがあってのことに違いない。

 

さて、今日は昨日の登板のダメージをなるべく軽くしたいと思って、疲労抜きランのつもりだった。ところが走り出したら自分でも驚くくらい調子がいい。そこで、無理に抑えずにカラダが走りたいように走ることにした。最初の5キロは楽に呼吸できるペースを維持しながら走ったことのない横道にそれ、昔からの農家が多い高台の集落を行く。まるで夏休みに田舎に来たようだ。

次の5キロは一気に谷津田のある崖下まで下り、明るいうちに走りたいと思っていたいわゆるはけの道に入った。右手の崖にはタヌキが顔を出してもおかしくないような鬱蒼とした雑木林が続く。濃い緑の葉を重たく茂らせた照葉樹が、道の上にまでトンネルのように枝を広げている。車は全く通らず人の姿もない。嬉しくなってペースを少し上げた。ここまで来てしまうと、今日は15キロコース確定だ。

はけの道はやがて、市内のランニングの定番コースになっている桜並木の川沿いの道に続く。そして三連休の中日にしては意外なほど車通りが少ない市場通りに出た。しばらく行って北に向かい少しずつ高度を上げる。

残りあと5キロ。もう1段ギアを上げるが、まだ余裕がある。最後の1キロは4:25までペースを上げてゴール。実に気持ちがいい。爽快至極である。

今日のルートは適度にアップダウンがあり、景色も変化に富んでいる。わずか10数分の間に麦わら帽子にランニングシャツの似合いそうな田園風景と最新式の高層マンションが立ち並ぶピッカピカの街区が現れる。これはなかなかいいコースだ。これからもちょくちょく使うことに決めた。

それにしても決して走行距離は伸びていないのに、この半月くらいでひと皮むけた気がする。この感じをキープしたまま夏を越え、シーズンインできりゃいいなぁ、としみじみ思った。