行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

復活の城ヶ島 前編

一昨年も昨年も釣り納めは城ヶ島だった。

ところが、その2回ともメンバー全員 NO FISH!

我々だけではない。目の届く限り、ひとりとして竿を曲げている者はいなかった。

なので我々の間では、三浦は死んだ、と言われていたのだ。

そんなロクでもない目に遭い続けた城ヶ島だが、予報によると12/23の房総方面は、波とウネリが厳しそうだ。釣り場は極めて限定されるだろう。今回はパスするのが賢明だ。

よし、三浦に行こう。もう訪れることはないかもしれない、とさえ思った懐かしい城ヶ島の磯に立とう。そこで今年も最後を迎えようじゃないか。

YouTubeを見れば皆んなあんなに釣っている。エサの釣り王の釣果情報は、今日も吉報を伝えている。きっと三浦は死んでなんかいないはずだ。

そして前夜は9時に布団に入ったものの、いつも通りほとんど眠れぬまま出発時刻を迎えた。いざ、城ヶ島へ!クルマはTKとSKと私の3人を乗せ、まだ雨が残る夜明け前の横横をひた走るのであった。

駐車場に着いたのは、予定ドンピシャの午前5時30分。天気予報は見事に当たった。雨はほとんど上がっている。釣り人らしきワンボックスカーが1台。日の出を待っているのか、アイドリングしている。君たちよりワシらが先に行くけんね。

TK、SKの二人を尻目にとっとと準備を完了し、こらぁ早よせんかぁ、と尻を叩く。ヘッドランプをつけ、先頭に立って真っ暗な磯に向かう。

昨日から降り続いていた雨のせいだろう。夜釣りのヘッドランプは全く見当たらない。目指すのは、7年前まだ初心者だったTKが突然開眼し、小躍りしながら両型のグレを11連発させたあの場所だ。

城ヶ島で最も好きな釣り場に着き、荷物を下ろす。見渡す限り誰もいない。なんて良い日なんだ。ここにこうしてこれただけで、もう釣れなくってもいいんじゃないか。

しかし、好事魔多し。私の昼飯がない!さっきTKから手渡されてバッグに入れたのはSKの昼飯じゃないか。仕方がないので車まで引き返し、シートにちょこなんと鎮座していた自分の昼飯を手に戻ってみると、あたりはうっすらと明るくなり始めたというのに、TKとSKの二人は話に夢中でコマセの準備すら始めていない。

こら〜お前ら。久しぶりの磯だというのに何をしておるのか!朝マズメをみすみすのがしてどうするのだ〜!

ようやく準備が完了したのは7時。手前にコマセを撒くとさっそく懐かしい茶色い魚影が見えた。バリじゃん。これでNO FISH回避は確定した。いつもなら、またお前かよ〜と少しがっかりさせられる、あのいやらしくもトルクフルな引きも今日なら楽しめそうだ。

沖目にコマセを撒いてみる。いきなり水面でボイルした。??? 水面下を青黒く細い魚影がうねりながら行き交う。でかいサヨリの群れだ。これだって本来は厄介なエサ取りだが、もはや何だっていいのだ。釣れることがわかったから、これでいいのだ。

果たして、城ヶ島3年越しのファーストフィッシュは、30センチに届こうかという見事なサヨリだった。

続く

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もう、何をか言わんや