行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

Surprising Osaka!

4時間かけてようやく新大阪駅に着いた。

関西ではsuicaが使えないものと思い込んでいた。地下鉄の切符を買おうと財布から小銭をつまみ出し、券売機に歩み寄ろうとしたその時だった。目の前にいきなりサラリーマン風の大柄な男が立ちはだかりこう言った。
「よかったら、これ使って下さい」
差し出されたのは肌色の磁気カード。何か数字が書いてあるが、近頃やけに進んだ老眼のせいかよく見えない。
「え?あ、どうもありがとうございます。いいんですか?」
辛うじてそう聞き返すと、どことなくシソンヌの大きい方に似た彼は、「ええ、もう使わないのでどうぞ」と爽やかに言い放ち、踵を返した。振り返ることなく去って行く彼の後ろ姿を、あっけに取られたまま私はただ見送るのだった。

へぇー、こんなこともあるんだなぁ、さっすが人情の街大阪やで、ありがたやありがたや〜、御堂筋線の自動改札機にカードを通すと、なぜかゲートは固く閉ざされたまま俺を跳ね返した。鳴り響くブザー、明滅する警告灯。そこのお前!動くなっ!という罵声と共に俺めがけて殺到する乱れた靴音。

などというM:I:Ⅲ的展開はもちろん起こらず、淀屋橋に辿り着き、

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いつ来ても未来的レトロ感に溢れ、途轍もなくカッチョいい淀屋橋

私の釣り仲間で昨年故郷大阪に戻ったイケメンソムリエMちゃんがマネージャーを務めるシャレオツなスパニッシュバルで、1年前の今ごろとある研修で知り合い親しくなった関西在住のYさんMさんと、もちろんMちゃんとも再会を喜び合ったのでした。
しかも聞けばYさんの職場はそのバルからわずか徒歩3分!
今後ぜひご贔屓に、なんてことにもなり、久し振りの大阪出張はいきなり嬉しいサプライズ続きで幕を開けました。

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今夜の宿は心斎橋。ここにもなんとまぁ途方もなく懐かしい未来的光景が・・・

さて翌日、今回の出張で2日間行動を共にする初対面のIさんと会い話すうち、昨夜再会したMさんに"とある研修"を勧めた友人というのが、他ならぬIさんその人であったことが発覚!
サプライズの連鎖は果てしなく続くかと思われたのでした。


しかし結論から言うと、その後サプライズは起こらず、2日間の仕事もつつがなく終了したのですが、矢鱈めったら各駅に止まりまくりつつ東京に向かうこだま682号9号(グリーン!)車6番A席で柿の葉寿司なんぞつまみながらビールを飲んでいる私の隣でスマホに夢中なおねーさんが実は‼︎なんていう駄目押しが待っているんじゃないかなどと全くどうでもいい文章で締めくくろうとしているいまここはようやく新富士駅あたりです。