ある意味優雅な旅
いま、大阪出張のために、新幹線の車内で出発を待っている。
こだま号611号。たぶん生涯初のこだまだ。
こだま。昭和の響き。おれが子供の頃、新幹線といえば"ひかり"と"こだま"だった。こだまかぁ。あぁ、弟の小学校3年頃の担任が児玉先生だったなぁ。くるりの岸田氏に似ていたよ。
いま、車内の電光掲示板に、あ、発車した、"各駅に停まります"という文字が流れた。
各駅停車の新幹線!鈍行の超特急?
新大阪までほとんど4時間かかる。まさに昭和、というか昭和だって、ひかりなら3時間10分だ。
昭和は既に遠く、元号も1年あまり後には変わろうという平成29年も押し詰まって参りましたが、これは得難い経験なんだろう。
出張の手配をしてくれた男は言った。「安いプランを探したら、こうなったんです。帰りもこだまですが、グリーン車です。」
そ、そうか。それはご苦労であった。グリーン車も生まれて初めてだよ。何が普通車と違うのか、あえて調べずに行くよ。
いまどきゆっくり時間をかけて移動するってのは、きっと豊かで優雅な時間の使い方なんだろう。などと思いつつ、窓の外を見れば、結構なスピードでこだまはひた走っている。各駅なのに新大阪まで4時間しかかからないってのは、やっぱりとんでもないことなのだなぁ。
いったい、乗客の中におれと同じく東京から新大阪まで行く人がどれくらいいるのか誰か調べてくれんかのう。
きっと、聞いたこともないような駅にいくつも停まるのだろう。あと3時間半、まだ小田原である。