行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

健康診断

去年の健康診断で遂に悪玉コレステロール(LDL)値が150を超え、C判定(経過観察、6ヶ月後要再検査)になってしまった。

野球もソフトボールもやってるし、運動してんのにな、と思ったが、実は野球ほど練習と試合で運動量に差があるスポーツも珍しいのだ。プロでさえ、たまたま打球が飛んでこなくて、出塁もしなかった日には、応援している観客の方が、よっぽど消耗するだろう。

しかも、野球もソフトもおれの入ってるチームは基本的に練習をしない。

これじゃ、コレステロールは減らんなあ、と思ったものの、1時間以上の汗をかく運動を週に何度かしろと言われても、そりゃあんたね、それって走る以外に何があんのよ。

そもそも、1時間なんてほとんど走ったことありませんよ、野球部だけど。

なんてぐだぐだしていたところに、Y夫師匠と出会うという偶然が重なったからこその、まさかのランニング再開だった。

 

去年の12月に走り始めて、本当に少しずつ積み重ねて来た結果、この1年で体重は約6キロ減ったし、ベルトの穴はこれ以上詰められないところまで胴回りも細くなった。そんなわけで健康診断が待ち遠しいなんて初めてのことだったが、あっという間にその日がやって来た。

体重と腹囲測定(メタボ検診ってやつね)のおばちゃんには、あらぁ、何かされたんですか?と問われ、採血のおばちゃんには、何か運動してらっしゃるんですか?と聞かれ、その度に嬉しくなって、いやぁ、実は去年悪玉コレステロールがね・・・そんでね・・・とペラペラ喋ってしまうのだった。

結果が送られてくるまで、2週間ぐらいかかるんだよな、その間が長いなぁ、と思っていたら、なんだかシステムがえらくバージョンアップしているようで、最後の問診では医者のPCのディスプレイに今日の結果があらかた表示されていた。

LDLを確認してみると108。文句なしのグッジョブA判定!

そうでしょ、そうこなくっちゃウソでしょ!

で、帰宅すると、エントリーしていた第2回目のハーフマラソンの参加通知書が届いていた。

走るたびに記録を更新できることが一番の動機だった頃、走ることは目的ではなくて手段だと思っていた。

記録の更新は確かに励みになり、大きな目標になるけれど、これまでとはちょっと心持ちが違ってきた。どうやらかなりの人が、ただ走りたいから走ってるんじゃないかという気がしてきたのだ。

 

ひと月ほど前に読んだ本に、ランニングに無縁な人が自分の奥さんがフルマラソンを走りきった後の様子を語ったこんな一文があった。

最初に読んだ時は笑ったのに、いま読むと、ぐっとくる。

 

『彼女は硬直していて、ほとんど動けなかった。病院に連れていくため、救急車を呼ぼうかと思ったほどだ。でも、彼女にはそれが何とすばらしい経験だったか、来年もまた出たいと、うわごとのようにずっと言っていたんだ』

出典:「ランナーのメンタルトレーニング(原題:THINK FAST)」ジョン・ヘンダーソン著 大修館書店 

 

 

Y夫師匠は、ランナーズハイ?そんなもん知らん!と言っていた。走っている間は、ただひたすら苦しさとの闘いですわ。でもまた走ってしまうんや、と。

 

救急車を呼ぼうとした夫は、走ってみよう、と思ったのだろうか?もし走ったとしたら、彼にも妻と同じような瞬間がいつか訪れたのだろうか?

 

わしもしばらくの間、ただ走ってみようと思う。

 

f:id:tomozou63:20171024232809j:plain

危ぶむなかれ、行けばわかるさ!ちゅうことやね