行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

走ることについて 〜思い返せばその5前編〜

初めての陸上競技会 前編

大阪では日々もっぱらごきげんに暮らしていたのだが、その生活も1年で終わった。札幌に転校することになったのだ。

仲良くなった陽気でにぎやかで人懐っこい友人達と別れるのは寂しくて残念だったけれど、1年前のように嘆き悲しみはしなかった。東京から大阪への転校が、相当な衝撃だったからかもしれない。

北海道と言われても、寒くて熊がいるところ、というくらいの知識しかなかったが、とにかく伊丹空港から生まれて初めての飛行機に乗り、札幌に着いた。

おれが暮らすことになったのは、広い敷地の中に6棟の戸建てが建つうちのひと棟だった。生まれて初めての一戸建ては嬉しかったし、傾斜のついた青いトタン屋根も新鮮だった。そして何よりその敷地を囲っているのが、牧場にあるのとそっくりな材木でできた柵なのが面白かった。子供心に、北海道っぽい!と思った。

 

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これよりもうちょい風雪にさらされた感じ

今もストリートビューで札幌の住宅街を見ると、基本的に変わらないなあ、と思うことがある。大袈裟な塀に囲まれた家が少ないのだ。もちろん、内地と同じような塀をしつらえた家もある。しかしそれでも北海道の住宅街には、内地にはない開けっ広げなある種の開放感があって、それはおれを懐かしい気持ちにさせる。

走ることについて書こうとしていたのに、話が逸れた。札幌での思い出深い3年間については、また別の機会に書くかもしれない。

 

転校早々に札幌の小学校で行われた陸上競技会について書こうと思う。

 

続く