行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

干し柿作り 〜その1〜

愛して止まない近所のJA直営スーパーに行ったら、渋柿、という文字が見えた。さすがJA直営。普通のスーパーでは売らないよなぁ渋柿。8、9個入りで398円。甘柿ならこの倍以上はする。

去年近所のおばあちゃんから、自家製の干し柿をいただいた。スーパーで売っている大量生産の干からびたヤツとは大違いで、絶妙な干し具合としっかりした甘さが素晴らしかったので、正直にほめちぎったら、作りには何のコツもいらず、特別な柿を使う必要もなく、ただ干しておけばいいという。

それでこんなのができちゃうのか!驚きだった。驚いたついでにおれも作ろう、と思ったのだが、もう柿が出回る時期は終わっていた。来年はおれも!と思っていた記憶が甦り、迷わずカゴに2袋放り込む。

その場で、“干し柿 作り方 渋柿”と検索してみると、皮をむいて熱湯に5秒くぐらせるか、焼酎を振りかけてビニール袋に入れて2、3日おけばシブ抜き完了らしい。

そのままでは食べられないもの、少し手を加えることで、食べられるようになるものになぜか惹かれる。

だから気が向くと、梅酒を作ったり、梅干しを漬けたり、ドングリを灰汁抜きしてクッキーを作ったり、ヨモギを摘んで草餅を作ったりする。古来から人々が生き伸びるために、或いは食べることを楽しむために編み出し、受け継いで来た知恵の恩恵に預かることに、しみじみとした幸せを感じるのだ。

大袈裟に言えば、縄文の血がざわつく感じがする。その血が導いたか、気がつけば、貝塚やら竪穴式住居跡やらが点在するところに住むことになっていた。

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秋の恵みですよこれが!

15分ばかりでキレイにむけた。いつも思うことだけど、ピーラーって何てエラいんだろう。包丁だと、どう頑張ってもこんなに早くむけない。道具って、素晴らしい。

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うまそうだが、実はシブい

渋抜きのアルコールにもちょっとこだわってみようかと思ったが、それは今後の楽しみにとっておくことにして、買い置きの麦焼酎を振りかけ、二重にしたコンビニの口を縛り、3日間の渋抜きに入った。

枝がほとんどついていないので、どうやって縛って干せばいいものかと思い調べたら、楊枝をヘタの近くに刺し、それを縛ればいいらしい。抜けて落ちないかやや不安だが、やってみるしかない。

この台風が行った後の週間予報を確認すると、雨マークはない。いいタイミングだ。

干し始めて1週間ぐらいたって表面が硬くなったら、破れないようにやさしく揉むのがコツらしい。よし、揉むぞ!いひひ。