行きつ戻りつ

走ったり、投げたり、時に釣ったり、何か作ったり、生きてりゃ行き当るとりとめなき事を

走ろうにも・・・

昨日、佐倉マラソン実行委員会から開催中止の葉書が届いた。

それにしても何でも中止、自粛されていく。

そこに一人でも感染者が出てしまえば、主催者側は責任を問われることになるだろう。さらに感染しても症状が出ない人がいて、その人も感染源になり得ることがわかった以上、中止の判断はもちろん妥当だと思う。

9年前の3月11日、僕は仕事で川崎の石油コンビナートを尋ねていた。いきなりの揺れに打ち合わせをしていた建物から飛び出すと、地面が大きくうねりながら揺れた。これまでの人生で経験したことがないとんでもなく大変なことがいま降りかかって来たのだと思った。パイプラインと煙突だらけの工場を前にして、怯えながらも腹が立ち、仁王立ちしていた。

工場の前で拾ったタクシーに乗り川崎駅に向かったが、すべての信号が消えている。交差点でタクシーが止まると余震でゆらゆらした。ずっと変わらず続くものと漠然と思っていた日常が、実はこんなにも脆いものだったことを目の当たりにして揺さぶられていた。

夜になり、東北地方の太平洋沿岸が、関東地方とは比べ物にならないあまりにも痛ましく凄まじい被害に見舞われていることを知った。それから始まった大変な日々のことは今でも忘れてはいない。

あの惨禍とはもちろん比べようもないが、いまの状況と9年前の空気には似通ったものを感じている。忘れかけていた不安がじわじわと蘇る。

走ればその間だけでも忘れられるのになと思ったが、今日は一日中冷たい雨が降っていた。アキレス腱の調子もまだ戻らない。

自分がウイルスの運び屋にならないようできる限り気を付けつつ、コロナ以前の日常が戻ってくることをただ待つだけだ。